「推し活、めちゃくちゃお金かかるよね」。これ、わたしが10年間ずっと感じてきたことです。チケット、遠征の交通費と宿、グッズ、配信の課金、コラボカフェ。気づけば一年で数十万円が「推し」に溶けていく。それでも後悔はしてないんだけど、ふとした瞬間に「このペースで、わたし将来だいじょうぶ……?」って不安になる夜もあるんですよね。
この記事は、そんな「推しは推したい、でもお金の不安も消したい」というあなたに向けて書いています。結論から言うと、推し活を我慢する必要はありません。やることは、推し活の予算とは別に「月3,000円」という小さな枠をつくって、それを新NISAという制度を使って少しずつ育てていくだけ。我慢じゃなくて、追加です。
この記事でわかること
・推し活費を削らずに投資の原資をつくる考え方
・新NISA「つみたて投資枠」って何?という制度のキホン
・月3,000円で実際に何ができるのか
・始める前に知っておくべきリスクと注意点
推し活費を削らずに投資の原資をつくる考え方
まず大前提として、わたしは「推し活を減らして投資にまわそう」というアドバイスが、あまり好きじゃありません。だって推しに使うお金は、わたしたちにとって「無駄遣い」じゃなくて「生きるための燃料」だから。そこを削ると、人生のテンションごと下がっちゃう。
じゃあどうするか。考え方はシンプルで、「推し活の予算」と「育てるお金の予算」を最初から別の財布にするということ。多くの人は「余ったら貯金・投資にまわそう」と考えるんだけど、推し活してると余りなんて永遠に出ません(断言)。だから順番を逆にします。先に小さな額を「育てるお金」によけて、残りで思いっきり推す。これが「先取り」の発想です。
「余ったら」ではなく「先によける」
たとえば月の手取りが18万円だとして、いきなり「3万円を投資にまわそう」とすると、推し活が苦しくなって続きません。続かない仕組みは、それ自体が失敗です。だからまずは月3,000円。ランチ2回分くらい、推し活で言えばアクスタ1個ぶんくらいの金額です。これを給料が入った瞬間に別の口座・別の枠へよける。残った金額の範囲で、遠征もグッズも自由に楽しむ。
「たった3,000円で意味あるの?」と思うかもしれません。正直に言うと、3,000円を1か月積み立てても、それだけで人生は変わりません。でも、この記事で伝えたいのは金額の大きさじゃなくて「続けられる仕組みを先に作る」ことなんです。金額はあとからいくらでも増やせます。最初に大事なのは、ゼロを1にすること。
推し活民あるある:使途不明金
「気づいたら今月もカツカツ」の正体は、推し活費というより“なんとなく使ったお金”だったりします。先に3,000円をよけておくと、「残りでやりくりする」感覚が自然と身について、推し活以外のムダ遣いが減ることも多いんです。
新NISA「つみたて投資枠」って何?という制度のキホン
ここで出てくるのが「新NISA」という制度です。名前は聞いたことあるけど中身はよくわからない、という人がほとんどだと思うので、推し活にたとえながら説明しますね。
金融庁の説明によると、NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益(運用益)にかかる税金が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益にはおよそ20%(復興特別所得税を含めて20.315%)の税金がかかります。たとえば1万円の利益が出たら、約2,000円が税金で引かれるイメージ。ところがNISAの口座を使うと、この税金がかからない仕組みになっています。
2024年から始まった新しいNISA(いわゆる新NISA)には、2つの枠があります。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」です。推し活世代が少額からコツコツ始めるなら、まず使うのは「つみたて投資枠」のほう。年間120万円まで、毎月コツコツ積み立てるのに向いた、長期・分散・積立に適した一定の投資信託などが対象になっています。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 対象商品 | 長期・積立・分散に適した一定の投資信託等 | 上場株式・投資信託など(一部除外あり) |
| こんな人向け | 少額からコツコツ始めたい初心者 | 個別株なども含めて自分で選びたい人 |
※ 制度の上限額・対象商品の詳細は金融庁「NISA特設ウェブサイト」で必ず最新情報をご確認ください。
「枠」は推し活の「予算上限」と同じイメージ
「つみたて投資枠は年間120万円まで」と言われると身構えるけど、推し活で言うところの「今年の推し活、上限○○円まで!」っていう予算ラインと同じです。上限いっぱい使う必要はまったくなくて、月3,000円なら年間36,000円。枠の使い方は完全に自分のペースでOK。むしろ最初は枠を使いきれないくらいで全然いいんです。
非課税は「ずっと推せる」ためのお守り
非課税のメリットは、すぐには実感しづらいです。なぜなら、利益が出て初めて「税金がかからなくてよかった」となるから。でも長く続けるほどこの差はじわじわ効いてきます。利益に税金がかからないぶん、増えたお金をまた次の推し活や、将来の自分のために使える。わたしはこれを「ずっと推せるためのお守り」だと思っています。
必ず知っておいてほしいこと:元本割れのリスク
新NISAは「お得な制度」ではありますが、投資である以上、元本割れ(払ったお金より減ること)のリスクが必ずあります。預金とは違い、元本は保証されていません。値動きのある商品を買うので、買ったときより価格が下がることもあります。「NISAだから絶対に増える」「必ず儲かる」ということは一切ありません。余裕資金(当面使う予定のないお金)の範囲で、無理なく始めることが大前提です。
月3,000円で実際に何ができるのか
では、月3,000円を新NISAのつみたて投資枠で積み立てると、実際にはどんなことが起きるのか。ここは数字で夢を見せるパートではなく、「現実的に何が起きうるか」を正直にお話しします。
買えるのは「投資信託」という詰め合わせパック
つみたて投資枠で買うのは、多くの場合「投資信託(とうししんたく)」という商品です。これは、たくさんの会社の株などを少しずつ詰め合わせた“パック”のようなもの。1つ買うだけで、自動的に世界中の会社に少しずつ分散して投資できるイメージです。推し活で言えば、推し1人に全財産を賭けるんじゃなくて、グループ箱推しでリスクを分散している感じ、と言うとピンとくるでしょうか。
月3,000円なら、この投資信託を毎月3,000円ぶんずつ、コツコツ買い増していくことになります。金融機関によっては100円や1,000円といった少額からでも積立設定が可能なので、「3,000円もまだ不安」という人は、まず月1,000円から始めても全然OKです。
「増えるか減るか」は誰にもわからない、が前提
ここが一番大事なところ。投資信託の価格は毎日変動します。積み立てている途中で、評価額が払った金額を下回る(=含み損になる)こともふつうにあります。むしろ、長く続けていれば下がる局面は必ず経験します。
未来の価格は誰にも予想できません。「○年で○円になります」という具体的な数字を約束する人がいたら、それは信用しないでください。わたしにもわからないし、プロにもわかりません。この記事でも、利回りや将来の金額を約束することは一切しません。できるのは、「長期・積立・分散」という、リスクを抑えるとされる王道の方法を、淡々と続けることだけです。
なぜ「コツコツ毎月」がいいとされるの?
毎月一定額を買い続けると、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになります(ドルコスト平均法と呼ばれます)。これは購入価格を平準化する効果が期待できる方法として知られています。ただし、これも「絶対に得をする」方法ではなく、損失を完全に防ぐものではない点は理解しておいてください。
新NISAを始めるための具体的な3ステップ
「制度はわかった。で、結局どうやって始めるの?」という人のために、最低限のステップだけまとめます。難しそうに見えて、推しのファンクラブ入会よりずっとシンプルです。
STEP1:NISA口座を開ける金融機関(ネット証券)を選ぶ
NISAを使うには、専用の口座を金融機関で開く必要があります。推し活世代にとって始めやすいのは、スマホで完結するネット証券。なかでも楽天証券やSBI証券は、少額からの積立に対応していて、ポイントが使える・貯まるサービスもあり、初心者に選ばれることが多い証券会社です(詳しいポイントの話は別記事でじっくり解説します)。
STEP2:口座を開設して、NISA口座も同時に申し込む
証券口座の開設はスマホとマイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)があれば、ネットで完結することがほとんどです。申し込みのときに「NISA口座も開設する」を選んでおけば、あとでまた手続きする手間がありません。NISA口座は税務署の確認が入るため、利用開始までに数日〜数週間かかることがあります。
STEP3:積立金額と商品を設定する(月3,000円でOK)
口座ができたら、つみたて投資枠で「毎月いくら・どの投資信託を積み立てるか」を設定します。ここで月3,000円(不安なら1,000円)に設定すれば、あとは毎月自動で買い付けてくれます。一度設定すれば基本ほったらかしでOK。これで「推し貯金」のしくみが完成です。
「推し貯金」、まずは口座を作るところから
少額からの積立に対応したネット証券で、NISA口座を開設できます。
口座開設・維持の手数料がかからない証券会社が多く、推し活民の最初の一歩におすすめです。
※ 現在リンク準備中です。提携審査の完了後にご案内します。口座開設の前に各社公式サイトで最新の条件をご確認ください。
月3,000円を続けたら、ざっくりいくら?(あくまでシミュレーション)
「3,000円じゃ意味ない」って言われがちだから、ここで一回だけ数字を見てみましょう。ただし先に強めに言っておきます。これは“こうなる”という約束じゃなくて、あくまで仮の計算(シミュレーション)です。投資信託の値段は毎日動くので、増えるか減るかは誰にもわかりません。下に出す金額も、運用がうまくいかなければもっと少なくなるし、元本割れ(払った額より減ること)だってふつうにあり得ます。それを大前提に、ふわっと眺めてください。
まず「積み立てた元本」だけで見るとこうなる
運用の増減をいったんゼロとして、純粋に「3,000円をよけ続けたら手元のお金がいくら積み上がるか」だけ見ると、こうです。これは投資の成果じゃなくて、ただの足し算なので確実な数字。
| 続けた期間 | 毎月の積立 | 積み立てた元本の合計 |
|---|---|---|
| 1年 | 3,000円 | 36,000円 |
| 5年 | 3,000円 | 180,000円 |
| 10年 | 3,000円 | 360,000円 |
| 20年 | 3,000円 | 720,000円 |
10年で36万円、20年で72万円。推し活してると一瞬で溶ける額に見えるかもだけど、「アクスタ1個ぶん」を別によけ続けただけでこれが手元に残る、と思うと悪くないですよね。しかもこれは運用益ゼロの最低ラインの話です。
「もし年率○%で増えたら」の仮パターン(保証なし)
次に、ここに運用の増減を“仮に”足してみます。年率3%・5%という数字を置きますが、これは「この利回りが出ます」という約束ではありません。実際の年ごとのリターンはプラスにもマイナスにも大きくブレます。マイナスの年もあれば、何年も含み損のままの時期もある。「ならして仮にこれくらいだったら」というイメージを持つためだけの、机上の計算です。
| 期間(月3,000円) | 元本 | 年率3%と仮定した場合(概算) | 年率5%と仮定した場合(概算) |
|---|---|---|---|
| 10年 | 360,000円 | 約42万円前後 | 約47万円前後 |
| 20年 | 720,000円 | 約98万円前後 | 約123万円前後 |
※ 上記は毎月積立・複利運用を仮定した概算で、手数料・税金・実際の値動きは反映していません。記載の利回りは仮の前提であり、将来の成果を保証・予測するものではありません。実際には元本を下回る可能性があります。
見てほしいのは「3%でも5%でも、最初の数年はそんなに差がつかない」こと。差がじわっと開いてくるのは10年・20年と続けたとき。だからこそ、金額の大きさより「やめずに続けられるか」がぜんぶなんです。途中で怖くなって売っちゃうと、この“じわっと効いてくる”前に終わっちゃう。
推し活民あるある:金額より「続いた自分」がうれしい
わたし自身、最初は「3,000円とか誤差じゃん」って思ってたんです。でも半年続いたとき、推し活以外で“自分との約束を守れた”のがちょっと自信になった。金額の桁より、「散財キャラのわたしでも続けられてる」って事実のほうが、メンタルに効きました。数字はあとからついてくる、はわりと本当です。
よくある質問(推し活×新NISAのギモン)
口座を作る前にみんながつまずきがちなところ、LINEでよく聞かれる順に答えていきますね。
Q1. 推し活でお金がカツカツ。それでもやったほうがいい?
正直に言うと、生活費や来月のチケット代を削ってまでやる必要はありません。投資は「なくても困らない余裕資金」でやるのが大前提。まずは固定費を見直して“浮き”を作って、そこから月1,000円でも始めれば十分です。順番としては、生活防衛(すぐ使える現金の確保)→ 余裕が出たら投資、です。無理して始めて推し活が苦しくなったら本末転倒。
Q2. 月3,000円って少なすぎて意味ない?
金額だけ見れば、最初の1〜2年は正直“誤差”です。でもこの記事で何度も言ってる通り、最初のゴールは金額じゃなくて「続く仕組みをゼロから1にすること」。3,000円で習慣化できたら、収入が増えたタイミングで5,000円・10,000円に上げればいいだけ。設定変更は数分で終わります。ゼロのままだと、いつまでも1にならないんですよ。
Q3. 始めたあと、価格が下がったらどうすればいい?
結論、長期で積み立てる前提なら、下がっても基本はそのまま淡々と続けるのが王道とされています。毎月一定額で買っていると、価格が安いときは多く買えるので、下落局面が必ずしも“悪いこと”とは限りません。ただし「絶対あとで戻る」という保証もないので、そこは正直に。怖くて夜眠れない金額なら、そもそも金額が大きすぎるサインです。減らしてOK。
Q4. NISA口座って、推しの“沼”みたいに途中でやめられない?
そんなことはなくて、積立はいつでも止められるし、お金も必要なときに引き出せます(売却して現金化できます)。ファンクラブの年会費みたいに「縛られる」ものではありません。急な遠征でお金が要るときに崩すこともできます。ただ、長期で続けるほど制度のうまみが出やすいので、できれば“いざという時の現金”は別で持っておいて、NISAは長く置いておくのが理想です。
Q5. つみたて投資枠だけで足りる?成長投資枠もやるべき?
推し活世代が月数千円からコツコツ始めるなら、まずは「つみたて投資枠」だけで十分すぎるです。つみたて投資枠は年間120万円まで使えるので、月3,000円(年36,000円)なら枠は全然あまります。成長投資枠(年間240万円・個別株なども対象)は、もっと余裕が出て自分で銘柄も選びたくなってから考えればOK。最初から両方使おうとして混乱する必要はありません。制度全体では生涯で1,800万円まで(うち成長投資枠は1,200万円まで)という大きな枠もありますが、これは「上限がそれだけ大きい」というだけで、使い切る必要はまったくないです。
Q6. 推し活で貯まったポイントでも始められる?
はい、できます。楽天証券なら楽天ポイント、SBI証券ならVポイントを、投資信託の購入代金に1ポイント=1円として充てられます(使えるのは原則「通常ポイント」で、推し活で付与されがちな期間限定ポイントは対象外なことが多いです)。「現金を出すのはまだ怖い」という人は、まずポイントで“値動きに慣れる練習”から始めるのもアリ。やり方はポイント投資デビューの記事でじっくり解説しています。
Q7. 途中で金額を変えたり、やめたりできる?
どちらも自由にできます。積立額の変更も、積立の停止も、ネット証券の管理画面から数分で完結します。給料が減った月は一旦止める、ボーナスが出たら増やす、みたいな調整も自分のペースでOK。「一度決めたら固定」みたいな縛りはないので、まずは無理のない額で始めて、推し活と相談しながら調整していけば大丈夫です。
はじめての人がやりがちな失敗・注意点
最後の注意点の前に、わたしや周りの推し活仲間が実際にやらかした“あるある失敗”も共有しておきます。先に知っておくと避けられます。
- 失敗1:張り切って最初から金額を上げすぎる。 「やるなら月3万!」と意気込んで、推し活が苦しくなって2か月でやめる。これが一番多い失敗です。続かない設定は失敗。少なく始めて、あとから上げる。
- 失敗2:少し下がっただけで怖くなって売る。 含み損(買ったときより評価額が下がった状態)を見て慌てて売ると、損が確定します。長期前提なら、むしろ“何もしない”のが正解になりやすい局面も多いです。
- 失敗3:「NISA=絶対増える魔法」だと思い込む。 NISAは“利益が出たときに税金がかからない”制度であって、利益を生み出す制度ではありません。中身は値動きする投資信託。元本保証ではない、ここは何度でも確認してください。
- 失敗4:SNSのおすすめを鵜呑みにして中身を理解せず買う。 「みんなコレ買ってるから」で選ぶと、下がったとき不安で持ちきれません。商品選びの“軸”は別記事で整理しているので、選ぶ前に読んでみてください。
- 失敗5:口座を作っただけで満足して、積立設定を忘れる。 意外と多いやつ。口座開設はスタートラインで、積立を“設定”して初めて動き出します。開設したらその日のうちに月3,000円の設定まで済ませちゃいましょう。
始める前に、もう一度だけ確認したい注意点
最後に、推し活民のあなたにだけは絶対に守ってほしい注意点を3つ。
- 推し活費を投資にまわさない。 投資は「余裕資金」で。来月のチケット代や生活費を削って投資にまわすのは本末転倒です。
- 借金やクレカのリボで投資しない。 増えるかわからないものに、利息を払ってまでお金を入れるのは危険です。
- 「絶対儲かる」話には乗らない。 SNSのDMで届く「必ず増える投資」「元本保証で高利回り」は、ほぼ詐欺だと思ってください。新NISAは自分でネット証券から始めれば十分です。
推し活は、わたしたちの人生を豊かにしてくれる最高の趣味です。その推し活を、これからもずっと続けていくために。お金の不安を少しだけ軽くする「お守り」として、月3,000円の推し貯金、よかったら今日から始めてみてください。推しは推せるときに推せ。でも、お金もちゃんと育てよう。
参考にした一次情報
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
- 金融庁「新しいNISA(つみたて投資枠・成長投資枠の概要)」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/
- 国税庁「No.1476 特定口座と確定申告(上場株式等に係る税率)」 https://www.nta.go.jp/
※ 制度の内容・上限額・税率は改正される場合があります。投資の最終判断の前に、必ず上記の公式サイトおよび各金融機関の最新情報をご確認ください。本記事は特定の金融商品の購入を勧誘するものではありません。
