推しを好きになったとき、事務所を調べませんでしたか。わたしは調べます。どこの事務所か、何年やっているのか、ほかに誰が所属しているのか。運営がしっかりしていれば現場の設営も安定するし、チケットの取り方も読める。逆に情報が出てこない事務所だと、遠征の予定を組むのが少しこわいですよね。
投資サービスも、まったく同じ見方ができます。商品の数字より先に、誰がやっているかを見る。今日はその手順を、Funvest(ファンベスト)という貸付型クラウドファンディングで実際にやってみます。
先に言っておくと、Funvestの想定利回りはわたしが確かめた6本すべてで年率3.50〜3.65%でした。ほかのサービスと並べると、はっきり低い部類に入ります。この数字をどう受け取るか。そこまで書きますね。
この記事でわかること
・投資サービスの運営会社を見るとき、確かめる4か所
・Funvestを運営するFintertech株式会社の株主構成と登録番号
・想定利回り年率3.50〜3.65%が意味していること
・最低10万円というハードルと、会員登録できない人の条件
・口座開設の流れと、本人確認にかかる営業日数
まず「誰がやっているか」を見る、という順番
投資サービスの広告は、たいてい利回りから始まります。年率◯%、1万円から、という具合に。でも数字は条件のひとつでしかありません。その条件を出している会社が続かなければ、条件そのものが意味を失います。
推し活で考えるとわかりやすいと思うんです。半年後の単独公演のチケットを先に買うとき、わたしたちは無意識に「この事務所なら開催されるだろう」と判断していますよね。お金を預ける先を選ぶときも、同じ判断が先に立ちます。
運営会社を見る4か所
会社概要のページで確かめる場所は、だいたい決まっているんですよね。わたしは次の4つを上から順に見ます。特別な知識はいりません。書いてあるかどうかを、目で追うだけです。
| 見る場所 | 何がわかるか | ひっかかるとき |
|---|---|---|
| 設立年 | 何年その事業をやってきたか | 設立が直近で、事業内容も新しい |
| 株主 | 後ろに誰がいるか、資本の性格 | 株主の記載そのものがない |
| 登録番号と加入協会 | どの業として国に登録しているか | 番号がない、業種と商品が合わない |
| 代表者と所在地 | 責任の所在が示されているか | 代表者名が出てこない |
※ 登録番号は金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で照らし合わせられます。番号が本物かどうかは、そちらで確認するのが確実です。
4つ目の代表者名は、意外と効きます。名前が出ているということは、その人の経歴も追えるということ。事務所の社長がどんな人か調べるのと、感覚としては地続きです。
Funvestの運営会社を、実際に確かめた
ここから実物です。公式サイト(ftt-funvest.jp)の会社概要ページを開いて、さっきの4か所を順に拾いました。
- 設立と資本。運営はFintertech株式会社で、設立は2018年4月2日。代表取締役は相原一也さん。所在地は東京都千代田区一番町5番地 アトラスビル6階です。
- 株主。ここがこの会社のいちばんの特徴でした。株式会社大和証券グループ本社が80%、株式会社クレディセゾンが20%。証券会社のグループとカード会社の合弁という形です。
- 登録番号。第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3249号。加入団体は第二種金融商品取引業協会と日本貸金業協会です。なお貸金業の登録番号そのものは、公式サイトに記載を見つけられませんでした。
- 手数料。会員登録も口座管理費用も0円、申込手数料も0円。出資するときの送金手数料は投資家の負担で、分配と償還のときの振込手数料は運営の負担になります。営業者報酬は、出資金額または貸付金額に対して一定の料率という書き方でした。
ファンドの中身も見ておきます。わたしが確認できた6本のうち、大和インフィリンク飯田橋ビルファンド1-1号は3.65%。アトラスグループ千歳マンション開発ファンド2-1号が3.55%で、ひなご蒲田本町マンション開発プロジェクト1-4号は3.50%でした。残る3本も3.60%、3.50%、3.55%。想定運用期間は約7ヶ月から約10ヶ月、投資タイプは6本とも国内の貸付型です。
名前の似たドメインに注意
Funvestを検索すると、よく似たドメインが出てくることがあります。わたしが確かめたところ、公式サイトはftt-funvest.jpのほうでした。似た短いドメインには中身がなく、証明書もサイト名と一致しません。お金を入れる前に、URLの文字列そのものを見る癖をつけておくと安全です。
募集中のファンドと最新の条件は、公式サイトで直接見られます。
年率3.5%は低いのか
本題です。3.50%と聞いて、正直ちょっと物足りないと感じた人はいると思います。わたしも最初はそうでした。同じクラウドファンディングという看板で、もっと大きな数字を見た記憶があったからです。
並べてみます。COMMOSUSの予定利回りは4.2〜11.0%。ミラリタで確かめた5本は年利18%から25%でした。そしてFunvestは3.50〜3.65%。看板は同じでも、数字は5倍以上ひらいています。
ここで考えかたを1つ渡します。利回りは、もらえる額の大きさではありません。引き受けるリスクの大きさを表示したものです。お金を集める側は、相手が納得する分だけ利率を上げます。裏返せば、高い利率でしか集まらない案件は、それだけの不確実さを抱えているということ。
3.50%という数字は、低いというより「そういう位置にある」と読むのが正確だと思っています。大和証券グループ本社が80%を持つ会社が、国内の貸付型として組成する。その条件で成立する利率が、この水準だった。位置を知ったうえで選ぶなら、それは納得のいく選択になります。
利率が低いことは、安全の証明ではありません
Funvestの公式には「Funvestのファンドは、元本・収益が保証されたものではありません」と明記されています。さらに「貸付先の支払不能、その他何らかの理由による本営業の収益性悪化等の理由により、お客様の出資金額を下回る分配しか受けられない可能性があります」とも書かれていました。株主が大手であることと、個別のファンドが無事に返ってくることは、別の話です。3.5%だから安心、という読み替えだけはしないでください。
最低10万円というハードルと、登録できない人
推し活世代にとって、いちばん現実的な壁がここです。Funvestの公式FAQには「10万円から投資できます。」とあります。1万円から出せるサービスが多いなかで、この入口は重い。
10万円という金額を推し活の単位に置き換えると、遠征3回ぶんくらいでしょうか。アクスタが1個3,000円だとすると33個分。それが7ヶ月から10ヶ月、手元に戻ってきません。資産形成のロードマップでも書いたとおり、すぐ使える現金と積立の土台ができていない段階で触る金額ではないと思います。
もうひとつ、公式に書かれていて見落としやすいのが、会員登録できない人の条件です。
- 未成年者、および満75歳以上の人
- 非居住者
- 主として恩給、年金、社会保険給付などによって生計を維持している人
- 生活保護受給世帯の人
年齢や収入の性格で入口を絞るのは、投資家保護の考え方から来ています。自分や家族が当てはまるかどうかは、申し込む前に確認しておくと手間が減ります。
口座開設の流れ
手順は3段階でした。メールアドレスを登録して、会員情報の入力と本人確認をすませ、ログイン後に本人確認コードを入力する。本人確認はスマホで完結させる方法と、画像をアップロードする方法の2通りです。目安はスマホでの本人確認がおよそ2営業日、画像アップロードはおよそ5営業日。急いでいるならスマホのほうが3営業日ぶん早い計算になります。
10万円を出す前に、3つだけ
①その10万円が10ヶ月戻らなくても、来年の遠征とチケットが回るか ②そのファンドの貸付先が何をしている会社か読めるか ③想定利回りが3.5%前後から大きく外れていないか。ここが揃わないなら、今は見送るという判断で問題ありません。急いで入る理由は、投資の側にはないんです。
よくある質問
Q1. 大和証券グループが株主なら、元本は守られる?
いいえ。株主が大手であることは、運営体制の背景を示すもので、個別ファンドの結果を保証するものではありません。公式にも、元本や収益は保証されていないと書かれています。会社の信用と、案件の信用は分けて考えてください。
Q2. 10万円より少ない金額では始められない?
公式FAQには10万円からと書かれており、10万円単位で複数のファンドに分けてリスクを平準化する、という説明もあります。1万円台から試したいなら、最低投資額が1万円のサービスを見るほうが現実的です。
Q3. 途中で解約して引き出せる?
貸付型は、運用期間の途中で自由に引き上げられないのが一般的です。想定運用期間は7ヶ月から10ヶ月前後でした。使う予定のある資金を入れる場所ではない、と考えておいてください。
Q4. 分配金の税金はどうなる?
Funvestの公式サイトでは、税務の扱いについての記載を確認できませんでした。ここは公式に明記なし、と書いておきます。確定申告が必要かどうかは、ほかの所得との合計で変わるため、国税庁のページか税務署で確認するのが確実です。
Q5. 貸金業協会に入っているのに、貸金業の登録番号がないのはなぜ?
わたしが見た範囲では、加入団体として日本貸金業協会の名前はありましたが、登録番号そのものの記載は見つけられませんでした。理由まではわからないので、気になる人はサービス側に直接問い合わせるのが早いです。書かれていないことを、勝手に補って読まないのが大事だと思っています。
まとめ:数字の前に、名前と番号を読む
Funvestを運営するのはFintertech株式会社。2018年4月2日設立で、株主は大和証券グループ本社80%とクレディセゾン20%。登録は第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3249号。ここまでが、公式サイトの会社概要ページから10分ほどで拾えた情報です。
この10分をやるかどうかで、広告の見え方が変わります。利回りだけを比べていたときには気づかなかった「その数字がどこから来ているのか」が、うっすら見えるようになるからです。
そして最低10万円という入口は、推し活世代にはやっぱり重い。わたしは今のところ、ここに置くお金より先に、すぐ動かせる現金のほうを厚くしています。順番の話であって、優劣の話ではありません。同じ手順で別のサービスも見てみたいなら、広告の前に確かめる5か所のほうへどうぞ。
参考にした一次情報
- Funvest(ファンベスト)公式サイト https://ftt-funvest.jp/
- Funvest 会社概要 https://ftt-funvest.jp/home/company
- Funvest 手数料とリスク https://ftt-funvest.jp/home/fees_risks
- 金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧 https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
※ 本記事は2026年8月時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづきます。想定利回り・運用期間・最低投資額・手数料は案件や時期により変わります。本記事は特定の金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身でお願いします。
