「今月、現場がない」。推し活をしていると、この静かな時期が定期的にやってきます。ツアーが終わって、次の情報解禁までの2〜3か月。わたしも推し活歴10年のあいだに、この谷間を何度も通りました。
そのたびに同じことを考えます。この数か月、口座に置きっぱなしのお金って、どうしてる?と。次のツアーぶんは動かせません。でも「年内は使う予定がない」と言い切れるお金も、たしかに少しはあるんですよね。
今日はそこの話です。1口1万円から出資できるファンドもある不動産クラウドファンディング、TOMOTAQU(トモタク)の公式サイトを開いて、わたしが確かめたことを並べます。先に芯を置きますね。この記事で渡したいのはサービス名ではなく、「そのお金を何か月動かさずにいられるか」を先に決めるという考え方のほうです。
この記事でわかること
・推し活の「現場がない数か月」を、お金の置き場としてどう考えるか
・運用期間中に引き出せないとはどういうことか(クーリング・オフは8日間)
・TOMOTAQUの許可番号・優先劣後90対10・運用期間・分配金の税金
・公式が掲げる「平均利回り6%以上」「元本割れ0件」の読み方
・預ける前に自分へ聞く、期間の5つの質問
推し活には「現場が続く時期」と「何もない時期」がある
推し活の出費は、月ごとに平らではないですよね。チケット代、遠征の新幹線、当日のグッズ列。この3つが同じ月に重なると財布は一瞬で空になります。逆にツアーとツアーのあいだは、配信のサブスク代くらいしか動きません。
わたしがこの波を意識したのは、家計簿の使途不明金に頭を抱えていたころでした。月ごとの平均で見ても、何もわからなかったんです。カレンダーに現場の日付を書き出して、はじめてお金が動かない月がまとまって存在すると気づきました。
その動かない期間が3か月なのか、12か月なのか。ここが今日の入口になります。月3,000円からの「推し貯金」入門で書いた積立は、必要なら売って現金に戻せる置き場でした。今から見るものは、そこが決定的に違います。
「引き出せない」の中身を、金額より先に見る
不動産クラウドファンディングは、出資したお金が運用期間の終わりまで戻ってこないのが原則です。TOMOTAQUの公式サイトにも、途中で解約できるのはクーリング・オフの期間内か、やむを得ない事由があるときだけと書かれていました。クーリング・オフは、書面を受け取った日から起算して8日間です。
そのうえで公式は、個人的な事情はやむを得ない事由に含まれない、とはっきり書いています。推しの追加公演が急に決まった、は個人的な事情。チケットが取れても、預けたお金はそこには回せません。
| 項目 | 銀行の普通預金 | 新NISAの積立 | 不動産クラウドファンディング |
|---|---|---|---|
| 手元に戻るまで | その場 | 売却して数営業日 | 運用期間の満了まで待つ |
| 途中でやめる | 自由 | いつでも売却できる | 原則できない(8日間のクーリング・オフを除く) |
| いくらから | 1円 | 金融機関により100円から | 1口1万円のファンドもある |
| 税金の入口 | 利子は源泉分離 | 非課税枠が使える | 分配金は雑所得で総合課税 |
| 向いているお金 | 今月使うお金 | 10年単位で置けるお金 | 数か月から2年、触らないと決めたお金 |
※ 条件はサービス・ファンド・金融機関ごとに異なります。TOMOTAQUの欄は公式サイトの記載にもとづく概要で、最低出資額は各ファンドにより異なります。
推し活でたとえるなら
先行抽選に申し込んだ直後の感覚が近いです。申込を出した瞬間から当落発表まで、その分は「あるけど使えないお金」になりますよね。不動産クラウドファンディングは、あの拘束が数か月から2年つづくと思ってください。しかも当落と違って、戻ってくる金額が出したときとぴったり同じとはかぎりません。
TOMOTAQUの中身を、公式サイトで確かめた
ここからは会社と数字です。わたしが開いたのは会社概要のページ(tomotaqu.com/company/)と、しくみを説明したページ(tomotaqu.com/about/)。上から順に拾いました。
- 運営は株式会社イーダブルジー。設立は2009年8月、資本金1億円、代表取締役は田中克尚さん。所在地は東京都港区六本木7丁目15番9号です。
- 不動産特定共同事業の許可番号は東京都知事第133号(第1号・2号事業/電子取引業務)。宅建業免許は東京都知事(3)第93945号、賃貸住宅管理業は国土交通大臣(2)第2381号。
- 最低投資額は「1口1万円から出資できるファンドもあり」。公式FAQには、最低出資額は各ファンドにより異なると書かれています。
- 運用期間は「数ヶ月から2年程度」。募集ページにあったトモタクCF130号(函館)は予定分配率7.0%で運用期間12ヶ月、CF128号とCF129号はどちらも7.5%の12ヶ月でした。
- 出資金は日証金信託銀行で分別管理。物件はグループ会社とのマスターリース契約で運用されます。
- 手数料は登録費・年会費・維持費がなく、出資時の手数料もかかりません。振込手数料は投資家の負担です。
優先劣後にも触れておきますね。TOMOTAQUは全商品が優先出資90%・劣後出資10%。公式の言葉では「10%(劣後出資分)までであれば、優先出資者である皆様への元本に影響はございません」となっています。損が出たら、まず運営側の10%から削れるという意味。裏を返せば、10%を超えた分はこちら側に届きます。
税金の入口も見ておきましょう。分配金は税法上の雑所得で、総合課税。源泉徴収ありで固定されていて、なしを選ぶ設定はできません。税率そのものは公式に明記がなく、法令に基づく所定の税率、という書き方でした。新NISAの非課税枠とは別の世界だと思っておいてください。
募集中のファンドが今どんな条件なのかは、公式サイトの一覧を見るのがいちばん早いです。
「平均利回り6%以上・元本割れ0件」をどう読んだか
ここは正直に書きます。TOMOTAQUのサイトには、平均利回り6%以上、元本割れ0件、分配金償還遅延0件という掲示があります。ただ、わたしが確かめたかぎり、この3つは画像のなかのコピーやalt属性、meta descriptionに置かれていました。集計期間と母数がページ本文に見当たらないんです。
いつからいつまでの、何本のファンドを数えた結果なのか。それが書かれていない数字は、読み手の側で検算できません。だからわたしは、この3つを記事の根拠としては使わないことにしました。掲げられている事実は事実として、そのまま置いておきます。
いっぽうサイト内の説明文には「利回り5%〜7%程度のローリスク・ミドルターンの投資商品」という表現がありました。募集ページの予定分配率7.0%や7.5%は、たしかにこのレンジの上のほう。ただ予定は予定です。受け取れる額が決まっているわけではありません。
数字を見る前に置いておきたいこと
TOMOTAQUの説明には「投資商品における元本保証は出資法により禁じられております」とあります。これはどのサービスを選んでも動かない前提です。予定分配率7.0%という数字は、7.0%がもらえる約束ではありません。その7.0%を狙うぶんの不確実さを、こちらが引き受けますという表示。出したお金より戻りが少なくなることも起こり得ます。銀行の普通預金と同じ棚に並べるものではない、と受け取ってください。
預ける期間を見積もる、5つの質問
今日いちばん渡したいのがここです。金額を決める前に、期間を決める。わたしが自分に聞いている順番で並べます。
- 次の12か月、現場の予定はいくつ入っているか。頭のなかの感覚ではなく、カレンダーに日付で書き出します。ツアー、舞台、イベント、コラボカフェ。
- その予定の合計は、いくらか。チケット、交通費、宿、グッズ。遠征1回を3万円で見積もるなら、年4回で12万円になります。
- まだ発表されていない現場ぶんの余白はあるか。推し活の出費は、ある日とつぜん決まりますよね。わたしは発表済みの予定と同じ額を、もう1つ現金で置いています。
- それを全部よけたあと、残る金額はいくらか。ここが検討の入口。残りが0円なら、今日の話は自分には関係ないという結論でまったく問題ありません。
- その残りを、12か月動かさずにいられるか。言い切れないなら入れない。「半年なら大丈夫かも」と迷ったら、迷った時点で入れない。
推し活を削って原資をつくる、という発想はここにはありません。わたしはその立場を取らないです。推しと一緒に1,000万円のロードマップで書いたとおり、順番はすぐ使える現金、引き出せる積立、そのうえで残る分。今回のものは、いちばん最後の引き出しにあたります。
確かめる順番はこれだけ
①そのファンドの運用期間は何ヶ月か ②最低出資額はいくらか ③優先劣後の比率は何対何か ④途中解約の条件はどう書かれているか。この4つは各ファンドの詳細ページに載っています。数字が自分の12か月と合わなければ、見送るという判断でいいんです。
よくある質問
Q1. 1万円なら、気軽に始めていい?
金額の重さと、中身の重さは別ものです。1万円でも運用期間の途中では引き出せませんし、戻る額が出したときより少なくなる可能性も残ります。「この1万円が半年戻らなくても、来月の現場に影響しない」と言えるかどうかで決めてください。
Q2. 運用期間が終わったら、お金は自動で戻ってくる?
TOMOTAQUの運用期間は数ヶ月から2年程度とされ、満了後に償還される流れです。ただし満了日そのものや入金のタイミングはファンドごとに違うので、申し込む前に各ファンドの詳細ページで日付を確認しておくと安心です。
Q3. 優先劣後90対10があれば、損しない?
いいえ。公式が書いているのは、10%までの損なら優先出資者の元本に影響しない、というところまで。10%を超える損が出れば、こちら側にも影響が及びます。お守りではなく、クッションの厚みが書いてあると読んでください。
Q4. 分配金をもらったら、確定申告はいる?
分配金は雑所得で総合課税、源泉徴収ありという扱いです。申告が必要かどうかは、給与や副業などほかの所得との合計で変わります。判断がつかないときは、国税庁のページか税務署に確認するのが確実です。
Q5. 新NISAをやめて、こっちに回したほうがいい?
わたしは回しません。新NISAは必要になったら売って現金に戻せます。推し活という、急な出費と隣り合わせの暮らしでは、その自由度のほうが先に効きます。両方やるとしても、順番は積立が先です。
まとめ:置き場所より先に、期間を決める
TOMOTAQUは、東京都知事第133号の許可を持つ株式会社イーダブルジーが運営する不動産クラウドファンディングでした。優先劣後は全商品90対10、運用期間は数ヶ月から2年、1口1万円から出せるファンドもある。ここまでは公式で確かめられます。
でも決め手はそこじゃないと思うんです。自分のカレンダーに、動かさなくていい月が何個あるか。それが3か月しかない人に12ヶ月のファンドは向きません。逆に12か月まるごと余白がある人なら、選択肢として検討する余地はあります。
推しを削らない。使う予定が読めるお金は入れない。この2つを守れる範囲でだけ、のぞいてみてください。しくみそのものをもう少し知りたくなったら、「出資する」と「貸す」の違いのほうへどうぞ。
参考にした一次情報
- TOMOTAQU(トモタク)公式サイト https://tomotaqu.com/
- TOMOTAQU 会社概要 https://tomotaqu.com/company/
- TOMOTAQU サービスのしくみ https://tomotaqu.com/about/
- 国税庁 タックスアンサー(所得の区分) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/
※ 本記事は2026年8月時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづきます。最低出資額・予定分配率・運用期間・手数料・税制は案件や時期により変わります。本記事は特定の金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身でお願いします。
